測定器
ひずみゲージの出力は数μV~数mVと非常に小さく、その出力を直接指示または記録することは困難です。 そのため、増幅器を用いてひずみゲージの微少な電気信号をおよそ10000倍に増幅します。また、ひずみゲージやひずみゲージ式センサは、物理量が加わっても抵抗が変化するだけで出力電圧を得ることができないため、電圧を供給するための電源が必要となります。 当社では、この電源と増幅器およびその他の付属機構が一体となったものを「ひずみ測定器」と呼んでいます。
ひずみ測定器は、測定対象に応じて「静ひずみ測定器」と「動ひずみ測定器」の2種類に大別され、それぞれ用途に応じて使い分けられています。 さらに、ブリッジ方式により「交流式」と「直流式」に分類することができます。
静ひずみ測定器と動ひずみ測定器
静ひずみ測定器

左:UCAM-80A 右:SRLS-100シリーズ
ひずみの大きさが時間的にゆるやかに変化する現象を測定する場合に使用します。 ひずみゲージで検出された微小電圧信号を高性能な電子回路で増幅し、デジタル指示器に表示させてひずみ値を読み取ったり、プリントアウト、ストレージにデータを保存することができる測定器です。静ひずみ測定では、大型構造物の載荷試験の例にみられるように、測定点が数百に及ぶような大規模な計測が多くあります。このような多数の測定点を高い精度で計測するため、スキャナで測定点を順次切り換えて測定することが多いですが、近年は同時サンプリングでも高精度に計測できるものも登場しています。
動ひずみ測定器

左:CTRS-100シリーズ 右:EDX-200A
振動や衝撃など、短時間で時間とともにひずみの大きさが変化する現象を測定する場合に使用します。 振動や衝撃のような動的現象は変化が早いため表示器などで読み取ることが難しいため、増幅結果を記録器や集録機能を併用して計測します。動ひずみ測定では、時間的要素を含む解析を行う場合が多く、多点測定を行う際には記録の同時性が求められるほか、応答性や安定性、SN比に優れていることも求められます。
動ひずみ測定器の交流式と直流式
動ひずみ測定器は、ブリッジ電源に交流と直流を用いたものの2種類に大別されます。 交流を用いたものは精度や対ノイズ性能に優れていますが、ブリッジ回路に容量分の影響が出てきますので、初期不平衡調整の際に抵抗分のバランスとあわせて容量分のバランスも取らなければなりません。また応答周波数はブリッジ電源の交流周波数によって制限されるなど取り扱いがやや複雑です。交流式は搬送波方式ともいいます。 一方、直流を用いたものは取り扱いが簡単で応答性に優れていますが、安定性や対ノイズ性能では交流を用いたものに比べて若干劣ります。
ラインナップ
測定器のカテゴリを、大きく分けて4つのタイプに分類しています。データロガー、増幅器(アンプ)、指示計・表示器、そしてハンディ測定器(チェッカ)です。測定する対象や目的に合わせて適切な製品を選ぶことが重要です。 当社の測定器のラインナップは多様なニーズにお応えできるよう、様々な機能や性能の製品を取り揃えております。
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