インターステラテクノロジズ株式会社 様

活躍の場は、"宇宙へ" ロケット開発を手掛けるインターステラテクノロジズの“未来”を支える

ロケット開発 / 宇宙産業 / 燃焼試験 / 圧力センサ

ロケット、人工衛星、宇宙......。そう聞くと、自分には縁のない、どこか遠いところの話に聞こえる人も多いでしょう。しかし、宇宙は私たちが想像しているよりも、案外身近な存在になってきています。宇宙産業は、次なる成⻑産業としても期待され、宇宙との距離は少しずつ、しかし着実に縮んでいるのです。そんな無限の可能性を秘めた宇宙産業を支えるのも、実は、共和電業の仕事のひとつ。本特集では、共和電業とタッグを組み、ロケットの開発・製造、打ち上げを行うインターステラテクノロジズ株式会社で、地上設備の設計製造や整備を担当する、堀井滉大氏にインタビューを実施。共和電業との関わり方や、インターステラテクノロジズの見据える“未来”について伺いました。

安全にロケットを打ち上げるために。何度でもトライ&エラーを繰り返す

インターステラテクノロジズ株式会社の事業内容と、堀井さんの業務について教えてください。

インターステラテクノロジズは、宇宙に人やモノを運ぶための輸送手段である、ロケットの開発・製造をしています。ロケットの設計から製造・試験・打ち上げ運用までを一気通貫で行っているところが特徴で、打ち上げるための地上設備も自社で開発しており、国際競争力のある宇宙輸送サービスの実現を目指しています。

私の所属する地上設備グループでは、ロケット本体ではなく、ロケットを打ち上げるための地上の設備全般を担当しています。たとえば、ロケットがいまどこを飛んでいるのかを把握するための管制施設や、打ち上げ前にロケットを支える、ランチャーと呼ばれる設備。実際にロケットを打ち上げる時や、その前の試験段階で必要な設備を設計・製造し、整備まで行っています。

ロケットを打ち上げるまでのプロセスと、そこに至るまでの共和電業との関わりを教えてください。

ロケットエンジンを開発する段階で、性能を正しく発揮できるか、また、エンジンが生み出す圧力や力の値が問題ないかを測るために、燃焼試験と呼ばれる試験を行います。その際に、共和電業さんの圧力計で圧力を測ったり、ロードセルと呼ばれるロケットエンジンの力を計測するための機械を使ったり。何回も条件を変えて燃焼試験を実施して、燃焼試験をパスすればエンジンの開発は完了です。エンジンの開発完了後は、実際にロケットに搭載するエンジンを作ります。作ったエンジンをロケットに取り付ける前に、短い時間だけ行う燃焼試験は毎回必ず行うので、そのたびに共和電業さんの製品が活躍します。

エンジンの燃焼試験以外でも共和電業さんの製品が活躍します。ロケットの胴体の構造の開発段階では、上からグーッと圧力をかけて行う試験を行います。ここでは、力を加えたときにどのくらいの歪みが生じるかを確かめるために、共和電業さんの「ひずみゲージ」を使っています。「ひずみゲージ」を取り付けておくと、どこがどのように変異したか、どこが壊れてしまったかを計測できます。実際にロケットが打ち上がる段階では、共和電業さんの製品を使うことはほぼないのですが、その前の重要な開発試験の段階で、非常に重宝しています。

ロケットを飛ばすために不可欠な、縁の下の力持ちのような存在なのですね。

膨大なトライ&エラーを繰り返す、日の当たらない作業かもしれません。しかし、ロケットを安全に飛ばすた めには、目の前の試験を着実にクリアしていく必要があります。途中で問題を発見したら、ひとつひとつ解 決して、また試験を行って。その試験を支えてくれているのが、共和電業さんの製品だと思っています。

インターステラテクノロジズさんが、共和電業と協業するに至った決め手があれば、教えてください。

ロケットエンジンの燃焼試験は、その名の通り、一度燃焼させて性能を測るのですが、高温かつ極めて低い温度に耐えられる圧力センサーは共和電業さんのものだけでした。水や空気など、常温の環境で圧力を計測できる圧力センサーはいくらでもあります。しかし、弊社のロケットは液体ロケットといって、液体酸素や液化メタンを使うので、極低温領域に対応した共和電業さんの圧力センサーが必要なんです。国内で、極低温領域でも使える圧力センサーを扱っているのは共和電業さんだけなので、とても頼りにしています。

ロケットの打ち上げまでを一貫してサポートしてくれる、心強い存在

コンサルティングなど、サポート面はいかがでしょうか?

データを計測するセンサーが必要な時や、過酷な環境に耐えられるコネクターを探している時など、その時々で最適な製品をご提案いただいています。「このくらいの⻑さのこういう仕様のケーブルが欲しい」とご相談すると、すぐに特注対応してくださることもあって。昨今の半導体不足の中でも、いつも柔軟に対応いただいていて、とても助かっています。

共和電業と協業するメリットを、どのように感じていますか?

私は大学時代からロケットエンジンの研究をしていたのですが、当時から共和電業さんの圧力計を使用していました。ただ、その圧力計から得たデータを変換する機械は、別の会社のものを使っていたんです。圧力計と変換機とでメーカーが異なると、不便が生じることも多々あったのですが、現在は共和電業さんの製品で統一し、データ変換までサポートしただいているのでありがたいです。

学生時代からロケットエンジンの開発をされていたのですね! 堀井さんがロケットに興味を持たれたきっかけは何だったのですか?

子どものころ、両親に筑波宇宙センターに連れて行ってもらって。ロケットエンジンの大きな音を体験できるコーナーがあり、そこで感じた迫力に惚れ込んで、以来、ロケットの開発に携わってきました。今もロケット開発に携われて、毎日が充実しています。

いつごろから共和電業の製品を使用しているのでしょうか?

導入してから、もう7年くらい経つかと。弊社の前身は、全国の宇宙好きが集まる「なつのロケット団」という団体なのですが、そこでも共和電業さんの製品をずっと使っていたそうです。会社の事業開始前から重宝させていただいています。

ただ、当時は一方的に製品を使わせていただいただけで、今のように部品を特注するような関係ではなかったと聞いています。現在のような共和電業さんのサポートがなかった時代があったなんて、今となっては考えられないです。

一歩一歩、宇宙に近づいていく。インターステラテクノロジズが見据える、宇宙産業の「未 来」

今後、インターステラテクノロジズと共和電業の関わりはどのようになっていくとお考えですか?

大きなエンジンの燃焼試験を行う予定があり、設備を作っている最中なのですが、試験時の計測点数が以前と比べてかなり増えています。従来のエンジン開発の4〜5倍にはなっているので、それらを計測するためには大量のセンサーが必要ですし、膨大なデータを処理するためのシステムも必要になります。共和電業さんの力はこれからもお借りしていきたいです。

インターステラテクノロジズが見据える「未来」について、教えてください。

ロケットは宇宙への唯一の輸送手段です。宇宙へのインフラであるロケットの低価格化や高頻度化が進むことは、宇宙産業拡大のカギとなっています。例えば、インターネットがブロードバンドによって広く普及したように、我々のような⺠間の宇宙輸送サービスを使って、さまざまな人や産業が宇宙データを使ったサービスを提供するようになる未来は近いと思います。 これから宇宙輸送サービスはより活発化していきます。、ロケットを高頻度かつ安全に飛ばすために、地上で行う数々の試験が不可欠なことに変わりはありません。共和電業さんとはこれからも末永く仕事をしていきたいですね。もちろん弊社だけでなく、ほかにもロケットメーカーさんや衛星事業を行っている会社があるので、さまざまな企業と協力しながら、日本全体で宇宙産業を盛り上げていきたいと考えています。

宇宙産業を盛り上げた先に、何があるのでしょうか?

宇宙は意外と近いところにあって、私自身、日々ひしひしとそれを感じています。ロケットや衛星の話題がニュースに取り上げられる機会も増えていますよね。宇宙を身近に感じてくれる人が増えれば、業界が盛り上がり、宇宙産業に関わる人も増えて、人材が豊富になったら開発スピードも加速して。そうやって、宇宙がもっと身近な存在になっていくのだと思います。スマートフォンで写真を撮るように、個人がリアルタイムで衛星写真を撮れるようになるかもしれませんし、旅行感覚で宇宙に行ける日も来るかもしれません。

夢が膨らむお話ですね。

ロケット事業はとどのつまり、飛行機やトラックと同じ運送業なので、、人工衛星というお客様の荷物を、求められたタイミングで求められた場所に届けるのがミッションです。宇宙産業の拡大は国を挙げて取り組まれていますし、今まさに、宇宙に一歩一歩近づいているところだと思うんです。これからも共和電業さんと手を取り合いながら、「近い宇宙」へと続くその道を、一歩一歩進んでいけたらうれしいです。

事業内容
ロケットの開発・製造・打上げサービス
設立
2013年1月
従業員数
138名(2023年9月現在)

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