
Letara株式会社
実現したいのは「高速かつ安全な移動手段」 Letaraのハイブリッド化学推進技術を支える共和電業
北海道・札幌の地に、宇宙空間における人や物の自由な往来の実現を目指し、世界をリードする先進技術の開発を目指す企業があります。北海道大学発の宇宙スタートアップ、Letara(レタラ)株式会社です。研究・開発を支えているのが、「ひずみゲージ」をはじめとする共和電業の製品。Letaraのビジネスの現状と今後、そして、共和電業製品の有用性について、Letaraのエンジニア 鈴木 翔氏に話を伺いました。
高推力・安全・安価な「ハイブリッド化学推進」技術
―Letara株式会社の事業内容を教えてください。
鈴木:Letara株式会社は、「宇宙のどんなところへも24時間以内に(Any place in space within 24H)」というミッションを掲げ、2020年6月に設立された、北海道大学発のスタートアップ企業です。ロケットや人工衛星などのエンジン、いわゆる推進系の研究・開発を行っており、2024年度には、経済産業省が日本を代表するスタートアップ企業に与える「ディープテックスタートアップ企業(J-Startup)」に認定されています。地球上では、飛行機でどこにでも自由に移動できますよね?それと同じように、宇宙空間においても、人や物の自由な往来が可能な世界を実現したいと考えていて、そのためには、安全性や費用、推進力の観点で実用的な推進器を開発する必要があり、当社では、高推力・安全・安価な「ハイブリッド化学推進」技術の開発に取り組んでいます。
一般的に、人工衛星の推進器にはイオンスラスタのような電気推進や液体燃料を用いた液体化学推進が使用されます。電気推進は、比較的安全ではあるものの、液体化学推進と比較し、推進力は約10万分の1と、移動に時間を要します。一方、液体化学推進は高い推進力があるものの、危険度が高く、多くの安全管理コストがかかります。これらに対し、Letaraのハイブリッド化学推進技術は、プラスチックなどの固体燃料と液体酸化剤の両方を利用するのが特徴です。固体燃料と液体酸化剤を燃焼させることで高い推進力を生みだすことができる一方で、プラスチックなどの固体燃料は、本質的に無毒、不燃性、非爆発性であるため、安全かつ高推力、そして相対的に安価な化学推進技術と言われているんです。

鈴木 翔:Letara株式会社 Propulsion Engineer
―Letaraの研究・開発に、共和電業はどのように関わっているのでしょうか?
鈴木:さまざまな実験や検証において、ひずみゲージのほか、高低温対応の圧力センサー「PHL-A」や、測定した数値を記録するデータロガー「EDX-200A」、火を噴いたエンジンがどのくらいのパワーを出しているのかを計測するロードセルなどを使用しています。先述の通り、当社は北海道大学発のスタートアップ企業ですが、同大学の研究室において、すでに共和電業製品を数多く使用していて、言ってみれば、実験や検証に共和電業製品を使うことは「当たり前」という状況でした。

HDPE(ハイブリッドロケット燃料)とPHL-A-B(圧力センサ)
ハードウェアの性能からソフトウェアの使い勝手まで。高い完成度に感嘆
―共和電業製品の性能や使い勝手はいかがですか?
鈴木:測定精度については、我々が求め得る精度は十分にクリアしていますし、たとえば圧力センサーの場合、小型で、なおかつ低温/高温環境にも耐えられるものとなると、共和電業製品以外にほぼ選択肢がない、と言っても過言ではありません。データの可視化という意味では、データロガー「EDX-200A」と接続した際に使用する「DCS-100A」というソフトウェアがあるのですが、これがもう、本当に使いやすくて。後輩に使い方を教える場面でも、その後輩が1時間とかからず使い方をマスターしてしまう、そのくらいよくできているんです。見やすくて、使いやすくて、直感的で。これに関しては、非の打ちどころがないと思います。
―共和電業のサポート面には満足されていますか?
鈴木:共和電業さんは、当社に頻繁に足を運んでくださるので、「もう少しこうしてほしい」「こんなことは可能ですか?」など、我々の要望や疑問を率直に伝えさせていただいています。もちろん、なかにはご対応いただくのが難しい要望もありますが、そんな時でも、「できません」とすぐに断られた記憶はありません。「じゃあ、こういう方法はどうですか?」「こんな製品も用意しています」など、我々のニーズに真摯に耳を傾け、柔軟に対応してくださっています。先述したソフトウェアについても、新しい機能の使い方や操作方法を説明しに来てくれるなど、手厚くフォローいただいています。性能や使い勝手、そしてアフターサポートを含めて、共和電業製品には非常に満足していますし、決して誇張ではなく、共和電業さんなしでは、当社の研究・開発は成り立たないと思います。

共和電業とともに、さらなる技術革新を
―今後の展望を教えてください。
鈴木: 人工衛星の年間打ち上げ数は年々増加しており、人間が宇宙に行く機会もますます増えていくでしょう。そうなった時に、最も重要なのは、やはり安全性ですよね。現状では、広く普及している固体ロケットにしても、液体ロケットにしても、必要な推進力は得られるものの、安全性についてはどうしても課題が残っています。それを我々の安全な推進器に置き換えることで、地上から宇宙、また、宇宙空間での移動をより安全なものにしていきたいと考えており、近いうちに、宇宙空間での実証実験を行うフェーズにまで来ています。
そのなかで共和電業さんに期待するのは、各種センサーのさらなる小型化です。今後、ロケットエンジンはより一層小型化していくはずですので、低温/高温下でも使用できるより小さなセンサーも不可欠なものとなるでしょう。宇宙への憧憬やロマンを持ち続けながら、人類の発展に関わる先端技術の研究・開発に携わる毎日は本当に楽しいですし、共和電業さんと一緒になって、これからも技術革新を続けていきたいと思います。

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