あいおいニッセイ同和自動車研究所 様

車の安全を支えるパートナーとして。 あいおいニッセイ同和自動車研究所の社員が語る、 車の衝突実験の意義

自動車衝突試験 / 加速度センサ

もしも今、衝突事故を起こしたら……。ドライバーなら誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。自動車修理に関するノウハウを蓄積し、モーター代理店やディーラーに対して幅広いサービスを展開するあいおいニッセイ同和自動車研究所には、車の衝突実験を行う部署があります。車が衝突した時に、人や車にどのくらいの衝撃が加わるのかを、共和電業の製品を使って計測するのです。本特集では、衝突実験を担う実験研究部で、主任研究員として活躍する杉山亜希氏にインタビューを実施。目を輝かせながら語ってくれた仕事のやりがいや、共和電業との関わり、そして、会社創業30周年を控え描いている、今後の展望などを伺いました。

車の安全性を確かめるために、データを通じて自動車メーカーをサポート

あいおいニッセイ同和自動車研究所の事業内容と、杉山さんが主に担当されている業務内容を教えてください。

弊社は、自動車に関する技術研修、整備相談、実験研究をしている会社です。具体的にはモーター代理店やディーラーに対して研修を行う部署があったり、モーター代理店から車両整備に関する相談を受ける部署があったりする中で、私は「実験研究部」という部門の実験グループに所属しています。自動車メーカーから依頼を受けて、車の衝突実験を実施し、結果報告を行う仕事です。

衝突実験とは、具体的にどのようなことを行うのですか?

試験前と試験後の変形量や、衝突時に発生する衝撃波などを計測します。ぶつかったときに車がどのくらい衝撃に耐えられるか、どのくらい潰れるか、ということです。自動車メーカーが新型車を作るにあたって、先行開発車の衝突実験依頼をいただくこともよくあるので、安全性を確かめるためのお手伝いをしているイメージですね。

計測結果をもとに、車体の改良などに関わることもあるのでしょうか?

直接改良に関わる事はありませんが、研究部門においては技術的アドバイスをさせていただく事があります。私たちは車両をお預かりしてデータ取得する事を目的としていますが、データの活用については、自動車メーカー様にお任せしているので詳細はわかりません。取得したデータを基に、ボディの形状や構造が変わることはあるようです。

安全な車を世に送り出すための、大切なお仕事なのですね。その中で、共和電業の製品はどのように使われているのでしょうか?

衝突実験の際、衝突する車のあちこちに、加速度計という計測器を貼り付けて、「データロガー」と呼ばれる車載器でデータを取るのですが、それらは共和電業さんの製品を使わせていただいています。貼り付ける加速度計は、1度の衝突実験でおよそ20か所で、貼る場所は主にボンネットの中です。ボンネットと、乗員にかかる重力を測るために、車内に座らせたダミー人形にも貼り付けます。

クライアントのニーズに合わせて進化する、共和電業の製品

共和電業の製品を採用するにいたった経緯を教えてください。

もともとお付き合いのある大手自動車メーカーさんが共和電業さんの製品を使っていたので、同じもので計測しないとデータの精度にバラつきが出てしまうから、ということだと思います。私は入社して12年目になりますが、データロガーについては、ほぼ共和電業さんの製品しか使ったことがありません。

クライアントのニーズに合わせて進化する、共和電業の製品

担当者の方とは、欲しいものや必要なものがあれば気軽にご相談できる関係です。私たちの仕事は、「この日に衝突実験を実施する」と決めたら、あまりずらすことができません。自動車メーカーさんからの依頼で、データの提出期限が決まっているので、簡単には動かせないんです。そうなると、計測器に何か不具合が起きた時にもすぐに対応しなければいけません。共和電業さんに電話すると、迅速に回答いただけたり、電話口で解決するのが難しい場合、駆け付けてくださったりと、いつもスピード感を持って対応いただいて、とても助かっています。 以前までは、静電気が生じる環境だと、どうしても計測器に不具合が生じてしまうことが多々あったのですが、共和電業さんに相談したことで、かなり改良されました。ここ5~6年は、静電気による不具合は起きていません。

共和電業の製品も、どんどん進化しているのですね。

私自身、その進化を実感しています。たとえば、昔はデータロガーがかなり大きく、重さも20kgくらいあって、女性が1人で持ち運ぶのは難しかったんです。社内規定で、20kg以上のものを1人で持ってはいけないという決まりがあったので、運ぶだけでも2人必要で。それが今では、私でも片手で持てるくらいのサイズ・重さになりました。製品を使っている私たちがポロッと口に出した小さな悩みにも、真摯に向き合ってくださっていると感じています。 パソコンで使うソフトウェアにも同じことが言えます。共和電業さんに「もっとこうなりませんか?」と要望を伝えると、すぐに反映してくださって、頻繁にバージョンアップされるんです。当初は作業手順が多く、使いづらいところもあったのですが、今では新人でも迷わずデータ計測ができるくらい、わかりやすいソフトウェアに改良していただきました。

衝突実験は一度きりのチャンス。失敗できないからこそ感じるやりがい

衝突実験は、どのくらいの頻度で行っているのでしょうか?

ピーク時は1日に1~2件。毎日毎日衝突させるので、その時期はずっと胃がキリキリしています。衝突させたのに、計測器のスイッチが入っていなかった……なんていうことがあったら、ショックで倒れてしまうかもしれません。衝突実験をするような開発車は、通常の車よりも手がかかっていて、二度と同じ車両はないんです。絶対に失敗できないので、衝突の5秒前からカウントダウンが始まると、いつも祈るような気持ちになります。

毎回プレッシャーと向き合っていらっしゃるのですね。

そうですね。「センサーの不具合でデータが取れませんでした」と言うのは簡単ですが、困るのは依頼してくださった自動車メーカーのご担当者なので、そうならないように、最善を尽くそうという気持ちで臨んでいます。大変なことも多いですが、とてもやりがいを感じられる仕事です。

来年は会社創立30周年。共和電業とともに、新しいことにもチャレンジしていきたい

表情がとても生き生きされていて、素敵です。杉山さんは、今のお仕事のどのような部分にやりがいを感じているのでしょうか?

車の安全・安心に関わっていることはもちろん自覚していますし、ふとした瞬間にも痛感します。外で車の衝突事故を見かけることがあると、「エアバッグがきちんと作動しているな」とか、「どんな角度で、どのくらいのスピードでぶつかったんだろう」とか、いろいろ考えてしまって。私がいつもやっている衝突実験と照らし合わせて考えると、人の命に関わる大事な仕事をしているんだと、身が引き締まります。

最後に、御社の今後の展望や、共和電業との関わりについてお聞かせください。

衝突実験だけでなく、何か違うことにも取り組んでいきたいと考えています。車の衝突に限らず、別の物体同士を衝突させることも検討しています。それと、弊社の新しい取り組みとして、昨年からドローンスクールを始めました。自動車研究所とはそれほど関係ないのですが、これが意外と好評なんです。着実に成長している会社だと思っていますし、来年は創業30周年。そこに向けて、いろいろ挑戦していきたいですね。 共和電業さんが新製品を作ったり、私たちが車以外の衝突実験に取り組んだりする機会があれば、ぜひ一緒に新しいことをやっていこうと、担当の方ともお話ししています。もちろん、今まで通り、車の衝突実験をするうえで共和電業さんのサポートは不可欠です。私たちは衝突実験を通して車の安全を支え、共和電業さんが衝突実験を支えてくれている。共和電業さんをなくして、私たちの仕事は成り立たないので、これからもよきパートナーとして、共に手を携え、前進していけたらうれしいです。

事業内容
車両の耐損傷性・修理性に関する調査・研究。整備工場などへの整備技術提供・業務研修およびコンサルティングサービス
設立
1994年

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